皆さんは「クラウドPBX」というサービスをご存じでしょうか。
実は私、会社を立ち上げるまでまったく知りませんでした。
簡単に言うと、スマートフォンに専用アプリを入れるだけで、会社の電話番号で発着信できるサービスです。
電話機を置かなくても、内線通話や転送、通話の録音などができる。しかも、従来のビジネスフォンに比べて費用も抑えられそうです。
「これは便利だな」
そう思って、仙台の市外局番「022」で申し込みました。
そして、申請から約40日。
ようやく開通したのですが、ここから思いもよらないことが起こりました。
最初の電話が、いきなり海外から?
開通して最初にかかってきた電話は、なんと海外からの英語の電話でした。
「えっ、何これ? 詐欺電話?」
そう思って、すぐに切りました。
ところが、今度は国内の携帯電話から着信があり、いきなり製品の不具合について話し始めるのです。
「すみません、うちは不動産会社なんですが……」
そう伝えると、相手もすぐに電話を切りました。
さすがにおかしいと思い、取得した電話番号をGoogleで検索してみました。
すると、なんと以前は超大手ECサイトのコールセンターで使われていた番号だったのです。
しかも、インターネット上には、その番号がまだ掲載されているサイトがいくつもありました。
そういえば、私も昔、そのコールセンターに電話した記憶があります。
まさか、その番号が自分の会社に回ってくるとは……。
その後も電話は鳴り続け、まだ誰にも公表していない番号なのに、1日で6回も着信がありました。
翌日も同じような状況です。
さすがに、これは困りました。
番号を変更するのに15,000円?
そこで、クラウドPBXの会社に連絡し、事情を説明しました。
すると返ってきた答えは、
「番号の変更には15,000円かかります」
というものでした。
いやいや、ちょっと待ってください(笑)。
こちらは新しい電話番号を取得したばかりです。それなのに、以前の利用者への電話が次々とかかってくる。
その番号を変更するのに、さらに費用が必要だというのです。
さすがに納得できず、担当者と何度か話しました。
途中で担当者が3回ほど代わり、最後は責任者の方ともお話ししましたが、回答は変わりませんでした。
そこで、少しやり方を変えてみることにしました。
私は長く会社員をしていたので、こういうとき、担当者だけでは判断できない事情も何となく分かります。
担当者にいくらお願いしても、その方に決定権がなければ話は進みません。
そこで、感情的に訴えるのではなく、事実を整理してメールを送りました。
1日に何回着信があったのか。どのサイトに番号が掲載されているのか。実際のURLも添えて説明しました。
そのうえで、責任者の方にも状況を確認していただけないかとお願いしました。
すると、その日のうちに連絡があり、最終的には無償で番号を変更していただけることになりました。
いやあ、よかったです。
考えてみると、銀行との付き合い方にも似ていますね。
今回のやり取りで思い出したのが、不動産投資で銀行から融資を受けるときのことです。
銀行でも、窓口の担当者が一人で融資を決められるわけではありません。
上司や支店内での協議、案件によっては本部の審査など、いくつもの確認を経て判断されます。
私もこれまで融資をお願いしてきましたが、そのときに意識していることがあります。
それは、担当者が行内で説明しやすいように、必要な資料をできるだけ揃えることです。
物件の収支や融資を希望する理由、今後の見通しなど。
こちらの考えを伝えるだけでなく、担当者が上司に説明するとき、何があれば判断しやすいだろうかと考えるようにしています。
今回の電話番号の件も、少し似ていました。
ただ「困っているから何とかしてください」と言うより、具体的な状況を整理した方が、相手も動きやすかったのでしょうね。
それと、銀行との交渉では、もう一つ自分なりに決めていることがあります。
どんな結果になっても、担当者に怒らないことです。
もちろん、納得できないことがあれば、きちんと質問します。
でも、融資が通らなかったからといって、担当者を責めても仕方がありません。
むしろ、次につなげるために、何が足りなかったのかを聞いてみる。
物件の問題なのか、収支なのか、それとも別の理由なのか。
教えてもらえないこともありますが、少しでも理由が分かれば、次に活かせます。
今回のクラウドPBXの件も、最初は少々腹が立ちましたが(笑)、結果的にはお互いに納得できる形で終わりました。
長く会社員をしてきた経験も、こんなところで役に立つものですね。
実は、この話には続きがあります。
番号の変更が決まって、ひとまず安心したのですが、もう一つ気になっていることがありました。
以前のコールセンターに電話をかけようとしている人たちのことです。
何度も電話をかけ直したり、違う番号を調べたりするのは、なかなか面倒ですよね。
そこで、古い電話番号を掲載しているサイトの運営会社にも、事情を説明するメールを送ってみました。
正直、返事が来るかどうかも分かりません。
ところが、驚いたことに、複数の会社がその日のうちに掲載内容を修正してくれたのです。
これには、ちょっとうれしくなりました。
インターネットの世界も、まだまだ捨てたものではありませんね。
今回の件で、以前の番号に電話をかけて困る人が少しでも減ったのであれば、よかったと思います。
それにしても、会社の電話番号を一つ取得するだけで、こんな経験をするとは思いませんでした。
新しい会社を始めると、本当にいろいろなことが起きるものですね(笑)。