今回は、少し不動産の話をしてみたいと思います。
一応、不動産会社のブログですからね。これまでは自分の思いばかり書いていた気もしますので(笑)。
皆さんは、「低廉な空き家」という言葉をご存じでしょうか。
少し聞き慣れない言葉ですが、不動産業界では、2024年7月に仲介手数料のルールが見直され、注目されるようになりました。
地方の空き家には、こんな事情があります。
例えば、東北の地方都市で、親が住んでいた実家を相続したとします。
子どもたちはすでに仙台や東京で暮らしていて、誰も戻る予定がない。
そこで家を売ろうとしたものの、価格は100万円程度。
こうした物件は、地方ではそれほど珍しい話ではありません。
ところが、不動産会社にとっては、なかなか難しい仕事なんです。
売買価格が100万円の場合、通常の計算による仲介手数料の上限は、売主・買主それぞれ5万5,000円(税込)。双方を仲介しても合計11万円です。
一方、物件の調査や現地確認、書類の作成、売買契約など、必要な仕事は価格が高い物件とそれほど変わりません。
遠方の物件であれば、移動にも時間がかかります。
これでは、不動産会社も積極的に取り扱いにくいですよね。
もっとも、相続した側からすれば、毎年固定資産税はかかりますし、建物の管理もしなければなりません。
多少費用がかかっても、誰かに引き継いでもらいたい。
そんな事情もあると思います。
そこで、仲介手数料のルールが変わりました。
2024年7月から、売買価格800万円以下の宅地・建物について、仲介手数料の特例が拡充されました。
一定の条件のもとで、売主・買主それぞれから、最大33万円(税込)まで受け取れるようになったのです。
双方を仲介する場合には、合計で最大66万円(税込)となります。
ちなみに、「低廉な空き家」という名前ですが、実際に空き家であることが必須というわけではありません。
800万円以下の宅地・建物であれば、使用状況にかかわらず対象になります。
もちろん、どんな物件でも33万円を請求できるという話ではありません。仲介に必要な費用を踏まえ、事前にお客様へ説明し、合意をいただくことが前提です。
それでも、不動産会社にとっては大きな変化だと思います。
これまで採算が合いにくかった地方の中古住宅や土地にも、取り組みやすくなったわけです。
地方だからこそ、面白い仕事があるのかもしれません。
この制度を知って、少し考えたことがあります。
地方には、不動産会社が少ない地域もあります。
そうした場所をこまめに訪ね、地元の方々と顔見知りになりながら、売却の相談を受けていく。
平日は地域を回り、週末は物件の案内や契約を行う。
そんな営業の形も考えられます。
もちろん、すぐに案件が見つかるわけではありませんし、売却が難しい物件もあるでしょう。
ただ、競合が少ない地域で、時間をかけて関係を築いていくというのも、一つのやり方なのだと思います。
実はREMAXには、こうした地域密着の営業で成果を上げているエージェントさんもいらっしゃいます。
それぞれの地域で、どのように仕事をつくっているのか。
そうした方々とつながり、実際の経験を聞けるのも、REMAXの面白いところですね。
不動産の仕事というと、どうしても高額な物件に目が向きがちです。
でも、今回の制度変更を見ていると、地方の小さな取引にも、まだいろいろな可能性がありそうです。
こういう話を知ると、つい自分でも何かやってみたくなるんですよね(笑)。